story 133

2024.04.24

 

経営者会の課題読書として「怪物に出会った日、井上尚弥と闘うこと」という本を読んだ。

普段自分はこういった類の本は読まず、ましてボクシングや格闘技には全く興味が無く、井上尚弥というボクサーさえ知らなかった。

筆者は井上尚弥というボクサーの強さをもっと深く知るため、対戦して負けたボクサーにインタビューを行った。

 

「より強い相手と闘うことがボクサーの性」で、世界チャンピオンよりも井上との闘いを選び、圧倒的な強さの前に敗者となりながらも、その闘いを人生においての「誇り」と思う。

一つはボクシングに関わらずなんだろうけど、強い者へ、より上へと向かう人間の本能は、周囲を巻き込み感動を与え、勝者ではなくてもその姿が大きく影響を与える。

もう一つは超越したチャンピオンは敗北という挫折感以上に、誇りや周囲の認知などの果実をも与えると。

 

どんなスポーツでも自己と向き合い戦う姿は感動を与える。

そしてそれは若者に「憧れ」「夢」を与えていく。

その循環に自分は人生を重ね合わせて、「経営」というよりは「生き方」としてGARDENの存在意義を考え続けて来た。

 

現に僕自身も、特に能力や環境があったわけではなく、それでも沢山の人との出会いや運があって、今でも未来に希望を持てる人生を送らせてもらっている。

そしてこれからこの組織を通じて、より多くの人たちに果実を与えて行ける様な自分になりたいと思っている。

ただ前回でも触れたように、ベルトコンベアーの様な仕組み、特にそこで働く人たちに対する極端な偏重した僕の考えに、最近は疑問を持って来た。

それは「人には誰にでも無限の可能性がある」というポジティブな思考が大切だと思っていて。

もちろんそういう環境しか選択がない、あるいはそもそも本人にとっての幸せってそれぞれだとも思っている。

それでも人の可能性を広げられる様な環境を作りたいと思ってきた。

 

結果、ブランディングの「選択と集中」同様、「どんなスタッフが評価されるのか?」が曖昧になり、人が増えて行かない組織になってしまったと僕自身は感じていて。

GARDENにおいて「評価されるべきはどんな人なのか?」を揃えて行くことこそが、時間がかかっても一番の未来への近道だと思っている。