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story 6
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2021.04.14
営業所には8人くらいの先輩セールスマンがいたけどあくまで仕事上の先輩後輩。
特にプライベートまで付き合う様な人はいなかったけど興味深い先輩もいました。
営業所で1、2を争っていたのは最初に紹介した僕とは別のチームの縁故のエリート先輩。
もう一人が同じチームの30歳過ぎの先輩だったが、その二人がとても対照的だった。
エリート先輩はチームが違う僕にも優しく礼儀正しくて、いつもパリッとした爽やかイケメン。
かたやウチのチームのトップセールス先輩は、いつも二日酔いみたいな感じでネクタイもテキトーで、、、
ましてモゴモゴ何を言っているのかもよくわからない、、、
言っちゃ失礼だけど、今思い出しても沖縄のブダイみたいな顔で、、(笑)
「何でこの人がトップセールスなんだろう、、?」
そんな目で見ていた頃その先輩にも同行させてもらうことになった。
まずそもそも出社がお昼頃。
ホワイトボードになんか書いておけば、あとは結果が伴えば何も言われないのが営業。
「じゃあ行こっか、、」みたいな感じで先輩の車に乗せてもらうと、
「とりあえず飯行こ」 蕎麦屋みたいなところで昼食を食べながら、
「あんまり真面目にやらない方がいいよ、、」と、、、
それから車で色々話してるうちになぜか湘南海岸に到着。
「ここで何するんだろう、、」とか思ってる僕に
「海パン持ってる?」
「はっ~、、?」
「海パンも持ち歩いていないの、、?まぁレンタルすればいいか?!」
「普通海パン持ち歩かないでしょ、、」
それから僕は、先輩に言われるままに海に入ってたり昼寝したりと、まるで休日を海に遊びに来たかのごとく数時間を過ごした。
頭の中では少しの罪悪感と大丈夫なのかなぁ、、という不安を抱えながら。
日差しが弱まり涼しくなってシャワーを浴びるとやっとお客様のところへ出発。
着いたところは自動車修理工場のお客様で、社長らしき人は車の下に潜って作業中。
先輩が声をかけて気付くもまた潜って作業をしながら色々喋ってる。
ご挨拶程度に紹介はしてもらったけど、お客様と先輩はどうやらその車の修理の件で夢中で話してる。
一応僕たちは研修で修理関係のことも一通り教わるが、あくまで専門の修理部隊がいるので、そこまで分からなくて正直車検は取ってきても工場任せ。
先輩はキャリアがあるとはいえ専門家であるそのお客様と対等というかそれ以上に答えていた。
次に向かったのはいわゆるスナック、、
まだそんなに遅くない時間ではあったけど、いきなり僕も紹介されてビールを注がれる。
このママさんの誕生日らしいんだけど、次々に数名のお客様がみえて、どうやらその人たちみんな先輩から車買っているらしい。
2、3時間ワーワー飲んで、その日は寮まで先輩に送ってもらって終了。
(当時はまだ飲酒運転普通だったからね~恐ろしいけど、、)
先輩に初めて同行させてもらった日があまりにも強烈で、他のことはよく覚えていないけどこの日のことは何となく今でも覚えている。
先輩は「売ってる」という感じじゃなくて勝手に「売れて行く」っていう感じ。
なんとなく車の事となったらとりあえず色々な人から先輩に相談や連絡が来る。
そして買う時は買うそんな感じだった。
車のスペックを勉強して、買いそうなお客様に徹底的に営業して、最後は値段交渉でなんとか落とす。
みたいにしか当時の僕は思ってなかった。
いわゆる「物を売るのではなく、お客様のためを考え信頼を重ねる」
数十年後、本で勉強して少しずつ理解して来たけど、高校出たての18歳の僕にとっては、なんとなく不思議な感じにしか思えなかった。
まぁそれが先輩的アドバイスとしては、「あんまり真面目にやらない方がいい」って事だったのだろう。