story 22

2021.04.29

 

そんな無我夢中だったアシスタント時代も2年半が過ぎ、ついにスタイリストデビューが近づて来ます。

 その頃になると後輩も増えていて、自分のためじゃなく後輩たちのためにも「いいお店を作りたい!」そう思うようになっていきました。

 忙しくないと後輩にはチャンスを与えられない!

そのためには売上げ、、、

 

今みたいな集客サイトはないからまずはひたすら紹介。

 来て頂いてるお客様からなるべく多く指名や紹介してもらうこと。

 先輩のお客様でもシャンプー中にひたすら自分をアピールして(笑)、どれだけ自分は頑張ってるとか、自分ならこんな風にカットしてみたいとか、、、

 なんとなく営業の経験も生かされてたかもしれないけどとにかくそうやってだれのお客様関係なく沢山指名や紹介してもらえるよう営業し続けました。

 

あとは知り合いとか人伝てに紹介してもらったり。

ナンパまがいなこともたくさんしました(笑

何がなんでもスタイリストになるなら自分が売上げ上げて、後輩のためにも忙しくてかっこいいお店にしたかった、、

 

そしてデビュー月。

 今で言えばたいしたことないけど、当時で言えまぁまあの初月売上げ。

 当時はあくまでデビューはお試し期間で、そこからキッズや簡単なメンズを入客しながら勉強していくもので、少なくとも「デビューしたからには!」なんて、初月から売上げにこだわる美容師なんて全くいなかった(笑)。

そんな話しを何年も後にしていたところ、GARDEN初期の『デビューの記録更新』ていう風土に繋がっていきます。

自分が想いを持ってやっていたことが数十年後GARDENの風土となり業界へも飛び火ていくとは、このころは想像だにしませんでした。

 

またその頃だったか、、

当時の会社がオフィスを移転したらしく、社長室というのに呼ばれました。

そのオフィスは原宿の交差点のすぐそばにあり、、、

(いまも残っていますが近く取り壊されるそう、、)

その8、9階あたりのオフィスからは表参道が一望できました。

 

「どうかな須崎君!?」

「美容師は頑張ればこんな景色が見えるんだよ!」

その時のことは今でも強く印象に残っています。

表参道という東京の中心を見渡せるようなオフィスとその景色を見たとき、サラリーマンに「夢」や「目標」が持てなくてこの世界に入ってきてなんとなく忘れていた、また違った意味での「憧れ」みたいなことは正直感じました。

 

それから約20年後。

GARDENをオープンしたのはまさにそのビルの並びで、当時と同じ高さの同じ景色を見たときは感慨深いものがありました、、、

こうやってやっぱり過去と未来は繋がっていくものです。

今やっているどんな些細なことでも一生懸命やっていれば必ず未来と繋がります。