story 21

2021.04.29

 

シャンプーブローというメニューがあって今も一応あるけど)、美容室に来てシャンプーしてブローしてもらわない時は、家ではシャンプーしないというご婦人が当時は結構いました。

 NYでは今もそういうお客様がたくさんいて、週に2、3度来店される方もいます。

 で、当時は今の様なカットデザインではなくブローでしっかりと作りあげるスタイルが多かったので、ブローは死ぬほど練習しました

 

そしてブローに合格すると、スタイリストではないけどシャンプーブローのお客様に入客できました。

つまり売上げをあげることができます。

特に給料が上がるとかはないんだけれど「自分で最後まで仕上げてお客様を帰せる!」ていうのがとにかく楽しかった。

 

ちなみにブローに受かる前とか、特に営業中もお客様のブローに入らせてもらいたくて、鏡を持ってカットの終わるスタイリストの後ろで待ってるんだけど。

当時生意気で先輩のいうことをあまり聞かなかった僕は、他の同期がまだシャンプーとかして手が空いていないのに、「~さんお願いね!」と軽く無視されたりと、悔しい思いを沢山させて頂いていました(笑)。

そんなことにもこの業界の独特さを感じていました。

 

昼間はお客様も少なく暇なお店だったので、「とにかくこのシャンプーブローのお客様を増やそう!」

営業経験のある自分にとってやっと「攻め」の営業ができる!

当時は宣伝するツールなんて無かったから勝手に何かをコピーして印刷して、「シャンプーブローチケット」みたいなものを店の近くで配りまくりました(笑)。

 

しかし現実はそんなに甘いものではなく、、、

 確か500枚くらい配って2、3人しか来店してくれませんでした、、

 結果は、、でしたが、少なくても当時アシスタントの分際で勝手にチラシを作って配るなんてことは前代未聞だったので)、会社の上の人からは良くも悪くも目をつけられる様になりました。

当時はスタイリストを「先生」って呼んでいた時代ですから、スタイリストとアシスタントとの格差やパワーバランスなんて言ったら今のブラックとか言われてる比じゃないくらいでしたから(笑)。

 

とにかく暇なお店が嫌でした。

自分が働いているお店にプライドを持ちたかったから。

古くて汚いお店なのはしょうがないけど、、、

だから徹底的に掃除して綺麗にして自分の友達や親や親戚が来た時に「いいお店だね、、!」そう言われるお店にしたかった。

 

僕の美容室の原点はここで、その数十年後にGARDENを作るなんて想像さえしていなかったけど、、

今でもこの時の思いは変わっていません。 

大切な人に「いいお店だね!」

そう言ってもらえるようなお店を作りたいと思い続けています。