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story 62
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2021.07.30
その日も猛暑日でした、、、
2006年8月4日遂に当時日本最大規模200坪のGARDENがオープンします。
ビルの表には壁一面を埋め尽くすお祝いの花が並びました。
50人が輪になって朝礼がスタートした時、ここに至るまでの様々な想いが一気に込み上げていました。
あの日のことは生涯ずっと忘れないと思います、、、
とは言え、美容業界の歴史に残る様々な問題を起こしてのオープン、、
業界からは「触らぬ神に祟り無し、、」的な冷ややかな空気も感じていました(笑)。
もともとポジティブというより楽観的なところもあり、、、
「とにかく何とかなるさ!」的な感じで、まずはオープンできた達成感でいっぱいでした。
ところがそんな甘くはありません、、
当時は今の様なWEB やSNSなどは無く。
さらに当時くらいから「個人情報保護法」なるものでカルテなどの持ち出しも一切出来ず。
お客様への連絡はそれぞれのスタイリストの口頭。
僕たちのお客様に至っては、次のお店など伝えることもできなかったために、お客様自身で見つけて来てくれる状況。
初月の売上げは散々たるもので、、
9,10月と経過して行きますが、なかなか売上げは向上して行きませんでした、、
そうなると士気が落ちるのは簡単、、
お店もスタッフも暇になると悪循環しか生まれません。。。
どんなに凄いお店に移ったとしても、そんなことは人はすぐに当たり前になるものです。。。
そしてお客様が少なければテンションが下がるのも美容師の性(笑)。。。
ただこの時はすでに自分は経営者。
売上げが伸びないことは資金繰りに直結し、設備投資で目一杯だった自分たちには「運転資金」などほとんど無く。
僅か数ヶ月で青ざめてました、、(笑)
ただそういう時って、「売上げ!」みたいに言っても美容師のみんなには伝わりにくくて、、
だからスタイリスト全員をバックルームに集めて、
「可愛いデザインを作らなきゃ!!」
「いい仕事をしよう!」
「みんなの実力なら必ずお客様は増えるから!」
みたいに鼓舞してました。
不思議なもので、そうするとお客様が何となく増え始め、、、
ちょうどオープンに合わせて取材して頂いた雑誌などが発売し始めて、それを見た新規のお客様や連絡の取れなかったお客様などの来店が増えて、少しずつ売上げは伸びて行きました。
こうして40歳の遅咲きの経営者一年生がスタートします。
それからちょうど15年が経過し。。。
コロナと業界構造の転換という美容業の経営者にとって厳しい現実と大きな変化が求められている現在です。
従来型の教育サロンからはスタイリストが抜けて。
若手が育たず、採用も苦しいといった声や相談が沢山有ります。
そうすると手っ取り早く、まずは値下げで集客すること。
採用条件を限りなく良くして行くこと。
また資金に余裕があれば利益が上がりやすいビジネスに投資して行くこと。
経営者というのは様々にもがいて行くものです。
そしてそれはどれも間違いではありません。
ただ自分の経験上、絶対的でシンプルに言えることは、、、
どんなビジネスであろうと、根がしっかり張られて、ちゃんと栄養を吸い取れて、その栄養を血液のように流す幹や枝がなければ、花は咲かず実は実りません。
同じ目的や価値観を共有できる「理念」という根から、その風土みたいなものを脈々と現場のスタッフたちに栄養として行き届かせる幹部。
まずはここがしっかりしていないと、ワンシーズンは綺麗な花を咲かせても、年を重ねて大きな実りのある大樹には育ちません。
一瞬台風や自然災害ですべて実が落ちてしまったとしても、「根が腐らず」「幹がしっかりしていれば」必ず花を咲かせて実を実らせるものです。
どれだけ時代が変わろうと。
ITやAIが物を選ぶのではなく、選ぶのは「人」であるお客様や消費者です。
同様に組織の関係性や形が変化しようとも、組織を作って行くのも「人」です。
そんな「幹となる幹部」を大切に育てていくこと。
それが今一番経営者が大切にすることで、すでにそんな人たちがいるのであればきっと大丈夫なんじゃないかなぁ。。
こんな経緯で生まれ15年を経たGARDENには、太くて強い幹たちが沢山います。
この15年の中で、経営者としては様々に反省や後悔の連続でしたが。。。(笑)
そこだけは胸を張って自慢できます。