story 131

2024.04.24

 

前後するが、2月に渋谷店がしてオープンして人事が変わり、全店から若手が集まって、僕が働いている表参道のW店の半分以上が異動となった。

新たなお店には希望と可能性を感じるのが当たり前。

逆に残ったメンバーからは、真新しい店舗で、異動したいという意欲を持って集まったメンバーたちがキラキラして見えて、羨ましさや嫉妬心が生まれるのもしょうがないこと。

 

20数名いたスタッフから僅か10人ほどになったお店は店舗の空気は大きく変わる。

ネガティブな空気になってしまうのも仕方ないことでもあるので、僕なりに何がフォローできるか?は考えていた。

でも「ものは考えよう」

メンバーが少なくなったからこそ、逆にもう一度リセットする事もできる。

 

今まで。。。と思っていた事、考え方とか行動とか、とにかく「お客様に対してこうありたい!」とか、「お店としてこうしたい!」とか。

お店は最初に「考え方」や「ルール」を決めて徹底していかないと、後からそれを共有するのはなかなか難しい、それは会社も同様だけど。

メンバーが減ったことで、もう一度「どんなお店にして行きたいか?」という「理想」を共有できることもチャンスであり、それがめちゃプラスな事になるはず。

 

ゴールが「売上」では人の心は動かない。

どんな「理想」を目指していて、その結果としての売上目標があるから「物語」が生まれ、その物語に人の心は動かされるもの。

個々にとっては、外から見ていた「憧れ」よりも、現実の毎日の中で起こる小さな事、価値観が共有されていない中で起こる「モヤモヤ」の積み重ねが、最もストレスになる。

 

逆に共有できてるメンバーと、忙しくても大変でも目標を目指すことの方が、美容師にとっては楽しいもの。

そんなことを事あるごとに話して行くと、少しずつメンバーも意識して、少人数だからこそ嫌でも手伝い合わざるを得ず(笑)、自然と前以上に一体感は生まれて行った。

アシスタントからは「残って良かったです!」とか、スタイリストからは「お客様がお店の空気の変化を感じて頂けて嬉しいです!」と。

 

様々なアシスタントと話すと

「永く愛されるスタイリストになりたい!」

「スタッフとお客様との距離感や空気感がいいお店で働きたい!」

という事をよく聞く。

いろんな要素はあるけど、僕の経験上、結局そんな「価値観が共有できてコミニケーションが上手く行っているお店」が彼らの望みであり。

そんな環境を作り維持していく事が、集客なんかよりも大切なマネージメントだと思う。