story 105

2022.11.10

 

経営について vol 7

[会社のリスクヘッジについて」

 

大阪の病院でハッカーにデータを破壊されて運営が出来なくなるってニュースがありましたが、まさにウチも同様の被害に遭ってしまいました。

結局要求はのまず、警察に被害届けを出した上にオフィスで捜査協力をし、復旧業者を探して多額のセキュリティ費用を払うことになりました。

そのためオフィスも一時機能不全に陥り、約3週間ほど僕のPCも使用できず、コラムやblogも更新できませんでした。

実はNYでも送金時のフィッシング詐欺があって、未だ解決出来ずにいます。

そんなことが当たり前に起こる時代になって、益々会社のリスクヘッジの必要性を感じます。

 

ここ最近立て続けに知り合いの会社が倒産する話しを聞きました。

一軒は詳しくわかりませんが、コロナ前からちょっと過剰に出店していて。

知り合いの経営者だったので、お金の話しを少し聞いてみたところ、当時でも「債務超過」じゃないの?とは思っていました。

最終的には何が原因で、倒産と言ってもどんな処理をするのかわかりませんが。。。

 

もう一軒は経営者兼プレイヤーで一店舗のみ。

人の出入りが激しいことは聞いていましたが、売上が減少してるとは聞いたことも無く、普通に周囲ともゴルフに行っていました。

本人は連帯保証を回避する債務整理と言っていましたが、実情を聞いてみると、もう数ヶ月で資金繰りがショートする様な状況。

ただ、この2、3年で大きなコロナ融資を受けていているにもかかわらず、単純にそれをこの数年で食い尽くしたことになります。

詳しい金額は言いませんが、

「売上対赤字」「預貸比率」とかを考えると、自分ではあり得ない状況です。

 

美容業界の経営者同士って、教育とか人事とかマーケティングとかの話しにはなるんですが、財務や法務や労務の話しはなかなかしません。

僕は若い頃から、大きな会社の先輩経営者からもその辺は学ばせてもらっているので、オフィス機能には目を光らせて来ました。

「生産性が無い」

そう思っている美容業界経営者がほとんどですが、僕は「いざとなる前のリスクヘッジ」となりうるオフィスは、絶対重要だと思っています。

 

今回のサイバー攻撃で、オフィスメンバーの知識と判断の上で、再度デジタル面のセキュリティを改善して行きます。

経理財務面で言えば、以前紹介した様に、常に一年先の売り上げ予測に基づいた、全てを含めた資金繰り計画があり、売り上げ変動はあるもののその誤差は僅かです。

隔週で資金繰り報告があり、予定に無かった出金等も全て報告を受け、決算対策を行いながら、財務担当が銀行とのコミニケーションを取り、融資も進めてくれています。

 

労務も法務も財務も、外部に専門家を持ちながらも、社内で一定の知識と対応力を持てる人がいることで、よりスピーディーに対応でき、なおかつ経営者の負担やストレスを大幅に減少できます。

マーケティング、販促、採用、出店、教育などは、美容業界においてはキモで、そこをまずはしっかりやらなければ、売り上げが立ちません。

でもその辺て苦労も多いけど、「お客様をハッピーに!」とか、「スタッフモチベーションアップのイベント!」なんかは、やっていて楽しいことです。

そんな攻めは絶対ですが、経営者であれば、その裏側の財務、法務、労務と言った守りも絶対必要です

プレイヤーと経営者の大きな違いは、この辺の守りで起こる数々のネガティブ要因も含めて、前向きでいられるタフさなのかとも思いますが(笑)。

 

経営者のタイプによって得意なところは様々ですが、経営を継続し続けるには、規模の大小にかかわらず、全般的な会社の整備は必要です。

僕の場合は「自分しかできないことしかやらない!」(笑)、というスタンスなので、加藤との役割も分担し、オフィスも整備して来ました。

今回も会長という立場で、会社の裏側の守りと、攻めるメンバーのサポートに徹するという役割を果たそうと思っています。

 

経営者一人で全てを行うのはなかなか難しいはずです。

ただ規模が小さければ、そんな経費を捻出できない現実も理解はできます。

でもそれを含めて将来の目指す規模を実現して行くということこそ、経営者が目指す事だとも思います。

 

「事前準備」と「危機対応」が大切ですが、それをできる体制(人)こそ大切だと思っています。