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story 19
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2021.04.28
20歳の自分にまた戻ります(笑)。
そのお店は銀座松屋の目の前の中央通りにあった。
僕が雑誌で見たお店は原宿の本店とアトリエ。
雑誌で見たお店はいかにもアーティスティックでカッコよかったけど、僕が配属された銀座店は目抜き通り沿いとは言ってもかなり古いビルで一階もラーメン屋、、
お店も10年以上経っているからそこそこボロボロ、、、(すみません、、)。
ただその頃も居候させてもらっていた森下のアパートからはスクーターなら直ぐで、通うには一番楽なのは確かだった。
とにかく最初は何もできないから一緒に入社した同期の3人と朝一番に来て掃除をする事から始めた。
そんな毎日がスタートした中で、向かいが松屋だったせいでいつも見ていたが、
松屋とか百貨店はオープンする時には全販売員が迎えて、「いらっしゃいませ!」と笑顔で挨拶して自分の持ち場へ向かう。
当時は予約制ではなかったのでオープンした時にお客様が来るか来ないかわからないけど、、
とりあえずオープンの時にはお店に出てお客様をお出迎えするかと思いきや、スタイリストの人や店長さんたちはバックルームにいて出てこない、、
セールスを経験していた自分は、お客様には「来てもらう」のではなく「見つけに行く」のが当たり前だった。
初めて美容室というところで働いてみて、そんな自分にとって普通だと思っていたこととのギャップが沢山有りすぎた。
そんなことで先輩たちとも沢山ぶつかり、マイナスになってしまったところもあるけど、逆に自分の中でイノベーション?アンチ?みたいなパワーに後々なって行きます(笑)。
例えば暇な日の終礼で「今日は雨だったから、、」「給料日前だったから、、」と言って何もしないいわゆる「待ち」の状態が信じられなかった。
そうすると気持ちだけははやるのだけど、美容師としては何もできない一年目、、
いくらそんなことを言っても美容師は所詮技術がないと何もできないことをあらためて思い知らされる、、
とにかく社会人を経験したうえで想像していた美容室と現実の美容室では、当時の僕にとって様々な違和感があった。
若いうちは頭も固かったしそれによってぶつかることとかもあったけど、逆に常に客観的なお客様の目線で見れていた部分もあったと思う。
とは言え技術がなければ美容師は何もできないのは事実で、早く技術を覚えたくて毎日必死で練習した。
だから僕は最初から美容師として上手くなりたいとか売り上げを上げたいとか、どんな美容師になりたいとかよりも、この頃から既に、自分が普通(理想)だと思うことを形にしたいことが一番だったかもしれない。