story 20

2021.04.28

 

スクーターで通っていた僕は終電を気にする必要がなかった(笑)。

 毎日6時半にお店に行って、先輩たちには何も言われないようにまずは完璧に掃除と準備。

3、40分で終わらせるとウィッグを持ち出して、先輩たちが出勤して朝礼が始まるまでの約2時間練習。

営業が終わってもその日に帰ることはほとんどなく練習していた。

 

不器用でワインディングとか全然ダメだった僕は、

 「何でこんな無意味なことするんだろう、、」

 「いくら綺麗に巻いたってこれをお客様が買うわけじゃないし、、」

 など、、無意味な方向へ気分を紛らわし(笑)それでもやるしかなくて、、

「やっぱ美容師向いてないかなぁ、、、」

 そうやってすぐに言い訳して逃げようとしていた。

なので強制的に休みの前の日は「オール」と決めて泊りで無心でワインディングをした(笑)。

 

 そんな風にとにかく「量」をやって行くと少しだけ「アレっ!?、、」ってなる時が来る。

 「なんかちょっとうまくいった、、、!?」

 「ちょっとなんかわかってきた、、!?」

 みたいに。

 そうするとちょっとだけ面白くなる。

 それを褒めてもらえると更に嬉しくなって「もう少し頑張ろう!」って前向きになって行く。

 

一つの事に徹底的に夢中になって「量」をやる事で見えてくる体験は、人生においてとても基本的で大切なことだと思っている。

 こうやって書くと最初から一生懸命頑張るできの良い子みたいに思われるかもしれないけど、、

 実は練習なんてほんとは大嫌いでいつも自己逃避して、2か月に一度は、「美容師やめて~!」って思ってました(笑)。

 後になって聞いたけど周囲の有名な美容師さんたちは、「色々大変だったけど、美容師を辞めたいと思ったことは一度もありません!」 って言うけど、、

 自分はしょっちゅう辞めたいと思ってました(笑)。

 

器用な人は簡単にできちゃったりするんだけどね~

それがまた悔しいんだけど、、

 でもそれはそれで「器用貧乏」って言葉もある様に、後々別の事とかで帳尻が合う時が来る。

才能とか要領でその時はうまく行っても逆にもっと大きな壁が待ってたりするもの、、

 今結果が中々出なくて苦しんでる人たちもそう思って頑張って欲しい。

 こんな練習嫌いな僕でもなんとかなったんだから