story 129

2024.03.24

 

経営者の彼らと話すと、必ず規模や上場や売り上げといった、具体的な「成果」を求めたがる。

そのためにこんな会に時間とお金を使っているのだか当たり前ではあるが。

でも同時にそれが自分にとっての「目的」なのか?という葛藤をしている。

僕もずっと根拠のない数年後の何十億という数値目標と、そこから逆算する数値計画を立てて、幹部たちにその目標を求めて来た。

 

じゃあその成果は?と言われた時に、幹部に対しても、僕自身に対してもモヤっとした答えしかなく。

「甲子園で優勝したい!に理由はないだろ!」

くらいに昭和的雑な(笑)ことで終わらせて来た。

結果、ほとんどそれは達成される訳もなくほぼ横ばいのまま。

 

規模や上場や売り上げと言った数値目標は、他者との比較でもあって、承認欲求でもある。

それで燃えるタイプもいるし(いわゆる営業成績が良くて経営者になったタイプ)、若いうちはそういうことのほうが一体感や勢いは出る。

かたや自分の真理的なこと大切にしたり、経験を重ねて年を取ってくると、それが手段であって目的ではなかったと思えてきたりもする。

今のZ世代こそ、実は後者的な考え方の方が多いのかもと思っている。

いずれにしろ、どちらが正しいとかいうことではなく、経営者である自分がどうしたいのか?ということを突き詰めて腹落ちさせることだと思う。

 

そうやって一つずつ整理出来て来ると、視座も少しずつ変わって来る。

例えばお店が綺麗であるか?汚れているか?

 

忙しい時は片付ける暇もなく、そうやって新規のお客様を呼んだり、そんなサロンワークをしているスタイリストは本当に素晴らしいと思うけど。

だからといってお客様を迎える僕たちのステージが汚れていていいわけはない。

僕は特にそういうことが気になるんだけど、

「君たちの大切なお客様を迎えるスペースがそれでいいのか?」

「美しいを売る僕たちがそれでいいのか?」

という、なんとなく説得力のない一方的な願望みたいな表現しか出来なかった。

 

今思うのは、自分が使ったモノを誰かが片付けてて、それって「与えてもらっている」ってこと。

忙しい時にはしょうがないけど、その分手が空いたら同様に誰かが片付けてないモノを片付ければいい。

でも汚いお店というのは、誰かがやってくれる「与えれてること」が多くて「与える」ことが少ない。

沢山のお客様がくれば、それに比例して、お客様や協力してくれるメンバーにそれ以上を与えなければ積み上がらない。

 

集客ができても伸びないスタイリストはこういうことで、「与える」キャパが追いついていない。

もちろんスタイリストがお客様を呼んでるからアシスタントも成長出来て、それ自体スタイリストは「与えていること」にもなってはいるんだけど。

「与えられてる」ことと「与える」ことがどちらが多いか?でどんな結果になるか?は小学生でもわかる事だけど。

お店の掃除一つとってもこういうことだという説明をされなければわからないだろう。

 

それは個人にも言える事だしもちろん会社にとっても同様。

与えるモノが多くない限りはファンや応援してくれる人が増えるはずがない。