story 97

2022.07.25

 

経営について   vol  5 

[白いキャンバスに絵を描く]

 

7月で弊社の16期も終わります。

初年度から8期くらいまでは二桁成長が続きました。

 

この業界は若いスタッフが主力となる事が多くて、TOPが現場に居たり同じ様な世代や価値観を持って、みんなが同じ方向を向いている時は大きく成長して行きます。

大抵はそんな仲間が集まってスタートするので、数年間は勢いだけで上手く行きます。

 

今まで「不満」に感じたことや「理不尽」と感じたこと、、、

そこに共通の価値観を見出して、そんな仲間と「今までとは違う!」という理想のお店を目指して、多くのサロンが生まれて行きます。

ただし数年が経過すると、TOPも周囲も年齢を重ねて価値観が変化して行き、同時に世の中も変化して行った時に様々なズレが生じて行きます。

10年続くサロンが少ないというのはそんな事もあるのでしょう。

 

GARDENも全く同様で、勢いだけで成長して来た7、8年を越えた辺りから様々な綻びが現れて来ました。

勢いがあるが故に起こる問題、世代が広がることでのキャリア形成、規模に合わせた組織の構築、そしてTOPの背中の見せ方。

その頃から様々に葛藤が起こり、NYへの出店を決めたのもその頃です。

 

複数の人間が同じ価値観を持ってスタートした当初は方向が一緒でした。

またTOPが現場で同じ目線でいれば、価値観も伝わり易い。

ただそこからアップグレードするためには、やはり「理念」とかの価値観の共有が必要です。

もっと大切なことは、その価値観を徹底させるためには「絶対にブレない」こと。

例えばそれがブレているのであれば、どんな大切な人間であろうとも情に流されずに袂を分つこと。

「創業時のメンバーが全て居なくなって大変だったが、そこから大きく成長した!」なんてベンチャーの話しがよくある様に、「仲間」でやっていた「個人商店」から脱皮する時には、情に流されないくらいのTOPの強い意志が必要となる。

こんなことも頭と知識ではわかっていても、その渦中にいる時にはどうしていいか分からなくなるものです。

 

10年目くらいから成長が停滞して、このコロナ禍にあっては、一度だけ昨対費を割ったものの微増が続いて来ました。

内容で言えばコロナ以上に、単純にスタイリストが辞めて行った数字のマイナス。

GARDENのスタイリストは大きな売り上げを上げるメンバーも多いので、そんな時は月の売り上げが数百万から数千万抜けたりもします。

規模の小さいお店なら潰れていますよね(笑)。

 

でも逆にそれをカバーして来たのは若いスタッフの成長。

若いスタッフ達は純粋にGARDENに入った「理由」を追求し続け、それを当たり前だと思っています。

そんな彼らの望む会社が本来のGARDENの姿であればいいだけですが、様々な問題解決に追われて優先順位が保てなくなっていくものです。

 

「多様化することも必要」

「時代に合わせた変化も必要」

 

でも本質の軸のところ、そもそものスタッフが大切にしてる事や強みである事、つまるところTOPが「こうありたい!」と思うところは、やっぱりブラしてはダメです。

TOPは良い悪い関係なく、「何が正しいか?」と「どこへ向かうのか?」だけは、強烈に鮮明にメッセージし続けなければ行けません。

そしてそれをどう伝えていくか?の方法はその組織のオリジナルでしかありません。

どんな方法で伝達して、それを軸に様々に経営を考えて、どう組織を構築していくか?まさにクリエイティブに作品を作り上げて行くことと同様。

仕組みを作り継続させて行く事は大切ですが、人が関わる以上そんな人の気持ちや成長を組み取りながらでなければ出来ないことです。

 

GARDENの場合はご存知の様に世代交代をして、より現場の声が反映する体制に変わりました。

それによって、「何を頑張ればいいのか?」「何をしたら評価されるのか?」が分かりやすくなったと思っています。

もっと大きな変化は、経営と現場運営が程よい距離が出来たことによって、優先順位や重要事項が客観的に判断出来る様になったことです。

 

今期最後の7月は昨年対月を大きく上回り、来期の現場予算も大きく成長を予測しています。

「スタッフ200人の壁」を超えられなかったこの数年の問題点が、「価値観共有の徹底」だと考えていて、やっとこの壁を乗り越えて行ける気がします。

強烈に鮮明に旗振りする人間がいて、それをサポートする人間が周りを固める。

若いスタッフにとっては、自分達に分かりやすく、共感できるビジョンを伝えてくれるTOPが居なければ、やる気のある人ほどそこに居る意味を失います。

そのためにも組織の新陳代謝は必要です。

どんどん成長を促進しながら、新陳代謝して行ける様な役割を作り続けることが、今の僕の役割でもあります。

 

「TOPは白いキャンバスに絵を描く様なもの」

知識や情報をフル活用して、でもどんな絵を描くか?は本人しかわからない。

絵を描かなければ、何をしてどこに行けばいいのか?誰もわからない。

そして絵を描いた通りにしか会社は成長しない。

 

GARDENはまだまだ絵を描いている途中(笑)。

もっともっと壮大な絵が描かれて、大きく拡がって行くことでしょう。

皆さんも自分らしい絵を描いてみては!?