vol 803 時代の風潮

最近の中途生を見てると、この界隈で「すごいスタイリストになりたい!」とか「カッコイイ作品を作りたい!」とか単純に「有名になりたい!」とか、そんな美容師が減ってて、「自分はこれくらいで・・・」とか、「自分の自由な時間が欲しい・・・」なんて人達が確実に増えてる。

 

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「安心」とか「安全」、「競争のない平和な社会」なんて時流になってるけど、物質的なそれと、人間としての成長という側面とでは全く違うはず。

以前のようなメディアの構造は破壊され、例えば業界誌でカッコイイデザインを作ることが一つのステイタスでもあり、そうなれる為にこの界隈に出てきて努力し、そうなったことで業界ではいわゆる「有名人」的な扱いをされ、そんなお店に美容師が憧れを持ち、沢山のスタッフが集まり、一般誌でも同じような競争の中から、有名美容師が生まれ、ブランドとして認知され、何より抜群の集客力が生まれていた。

 

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ところが時代は僅か数年で大きく変わり、デザインという切り口よりは、マーケティングとかマネージメントとか手法といった、いわゆるお店が繁盛する事や教育の方法的なことに移り変わり、地方のどんなサロンでも繁盛してれば有名サロンとなり。

SNSなどのメディアで自分ランディングが簡単にでき、ビューティーサイトやその他の媒体に広告料を払って安売りすれば簡単に集客ができちゃう。

だからそんな情報だけを上っ面で知ってる今の人達は、安易な方を選択するのも当然で、「わざわざそこまでしなくても・・・」みたいな事になるのがすごく解る。

 

僕は常に何に対しても肯定的で、それらの現象や実情は必然的な現実として受け入れなきゃいけないと思っていけど、物質的な側面と人間的な側面を混同して議論しているその風潮自体を、情報量だけは多い頭でっかちが鵜呑みにして、「安心」「安全」「安定」を語ってしまってる現在の状況には、まともな大人なら危機感を持つべきだと思う。

 

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40過ぎてようやく解った事でもあるけど(笑)、人は死ぬまで成長し続けなければいけない。

どこかで安定とかを求めるけど、実際にそうなると、その位置を守る為のしがらみを作り、堕落と空虚感だけしか残るはずがない。

もちろんそれは物質的な事を言ってるんではなく、もっと普通に当たり前に人として生きていく為の最低限の事なんだけどね。

じゃぁそれをどこで鍛錬するか?って言ったらその最たるものが仕事で、まずはよほど事情がない限りは、自分が向き合ってるその目の前の仕事を通じて、自分を成長させていくものなんだよね。

 

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なのにそこに対して「これくらいで・・・」なんて、最初から自分の未来の可能性を否定してるというか、最終的には自分の自由を奪うような行為だってことが、若いうちには解らないんだよね。

GARDENでも同様な風潮も見受けられ、上っ面だけ見て安易に考えるような場面も多くて、先日のショーなんかはいい機会で、実際に自分とその人の距離を身を持って感じて初めて気付くものがあって、そこが解ってる人は謙虚で学ぶ姿勢があるけど、そこに気付かないうちは学ぶ姿勢が足りていない。

 

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よく「自分がお店を変える!」とか、「業界を変えたい!」なんて事を聞くんだけど、本気でそうやってる人は数人しか見たことがなく、それを創り上げた側を越えて行くには、どれだけのエネルギーとパワーが必要か?がホントは解っていない。

っていうか感じれるレベルまでやってない。

間違いなく言えることは、何かしらの形で、ヒーローやスターといった、時代を牽引するような存在が表れなければ、その業界は再構築という前向きな破壊が生まれず、どんどん衰退してはず。

簡単に言っちゃえば、「どんな努力してでもあんな風になりたい!」って存在を作ることが大切で、「その為にはまだまだ頑張んなきゃね!」っていう風潮にすることが大切で、お国がやってるような事を鵜呑みにしてたって、自分たちの周りにいる人達なんて、到底幸せになんかできないんだよね。

 

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「その為にはどうすれば?」って、シンプルに「自分はまだまだ!」って、もっと高い目標を新たに持ち、行動で示していくだけ。だからGARDENは「まだまだ!」なんだよね。