vol 1000 未来へ

最後はやっぱり未来について。

(今回は反響の多かったtweetも載せてみました)(笑)

 

 

今年で自分は47歳を迎え、ついこの間までは、「40歳の美容師なんて終わってるよ!」と思ってた自分自身が50歳もまじかとなり、気が付けば自分の息子や娘でもおかしくない年齢のスタッフと働き、いつの間にか結婚式では、当たり前の様に主賓の挨拶をするようになり(笑)。

この美容人生ももうすぐ30年となり、その間世の中の動きを感じながらも、この業界の栄枯盛衰も見て来て、自分なりに一つの柱となる大切なものには気付けたと思っている。

 

 

数字とは客観的な評価で、その時代における「消費者の求める事」に応えた結果であり、どんな形の展開であろうと、GARDENより大きなお店というのは、単純我々よりも多くのお客様の支持を受け、それだけ喜んで働くスタッフが多いという事で、「経営者」という自分の立場では、シビアにそこは受け入れて、正直いつも「悔しい」という気持ちを忘れないようにしている。

ただ「美容師」という視点に立った時に、「経営」「ビジネス」という歯車の、結果的には一部となってしまうような働き方は、当然それでも生活していく上で、そういう選択をする人たちがいるのはしかたがないけど、全てがそれでいいとは思えないし自分はしたくない。

 

 

「付加価値メニューを増やしましょう・・・」

「店販商品を売りましょう・・・」

デザインするからこそパーマやカラーが必要となり、ヘアスタイルに対するお客様の関心が高まるからこそ、新たなスタイリング剤も必要なんじゃないか?

 

 

「来店頻度を上げましょう・・・」

「次回予約を取りましょう・・・」

バッサリ「切る」からこそ、変わる事が出来た自分に自信が持て、美意識が高まるからこそ、美容室にいく事が楽しくなり、その人にしか切って欲しくないという、「唯一無二の美容師」となるからこそ、お客様との関係性が深まるんじゃないか?

 

 

「1000円カットの生産性を学ぶべき・・・」

「スピード」とは「生産効率」ではなく、次に待っているお客様の為にも、より短時間でクオリティーの高い仕事を提供しようとする、経験と努力が生み出す「プロフェッショナル」という事じゃないのか?

 

 

「だからそうなりたければ・・・」

沢山のお客様から支持を頂き、自分を頼って下さるお客様で一杯の美容師になりたいんであれば、人の何倍も練習するしかないはずで、今の時代の風潮に甘えているだけで、本当に美容師として成長できるんだろうか?

 

 

「経営者としては当然のごとく利益は重要・・・」

経営者にとっては都合のいい、アシスタント人件費や教育を削除して、高い歩率と低価格の新規集客で成り立つ事が全てであれば、この業界の未来を担うアシスタントは誰が育てるんだろうか?

 

 

「不景気になれば低価格が持て囃される・・・」

確かに価格が高ければいいというものではないけど、僕たちがやっている事は、ただ伸びたから切る「散髪」なんだろうか?

不景気を繰り返しながらも、確実に世の中は便利になり、多くの人達が本質的な豊かさを知ってしまったこれからの時代に、僕達美容師の仕事とは、ただ切るだけじゃなくて、「切る事」「デザインする事」で、お客様にそれ以上の何かを感じてもらい、他の職業の人達には出来ない「喜び」や「豊かさ」を提供する事でもあるんじゃないだろうか?

 

 

時代の流れが業界の風潮を作り、主体的な自分の意思よりも、客観的なその風潮に流されてしまう人達があまりに多く、正しい事が見えにくい世の中で、自分の意思を持ち続ける事は困難でもあるかもしれない・・・

 

 

それでも美容師にとっては、先ずはその「プロセス」が重要で、安易に結果を求める前に、大切な事を本当に伝えていくべきなんじゃないかなぁ?

 

 

「美容師は何のために練習して誰の為に上手くなるのか?」

それは全てお客様のためであり、その結果、多くのお客様に喜んで頂いた分だけ自分達も幸せになれるもの。

 

 

「なぜ後輩を育てなきゃいけばいのか?」

後輩を大切に思うからこそ本気で叱ることもでき、人を育てていく中で培われる人間的な成長が、美容師としての自分をより高め、そんな全てがお客様や後輩たちに伝わり、自分を信頼してくれる人達が多い分だけ、やっぱり幸せになれるもの。

「だからもっと本気で練習しようよ!」「もっとガンガンcutして、可愛いデザインつくろうよ!」「自分の仕事にプライド持って、それを後輩たちに伝えて行こうよ!」

 

 

その大事なプロセスを飛び越えるから結果が出ないんであって、そういう大切な階段を一つずつ登らないと、本当の美容師にはなれないって、もっと多くの美容師が声を大にして言うべき。

 

 

そう・・・

我々美容師にとって未来を切り拓く方法は、新たなメニューや付加価値を追加する事でも、ビジネスモデルを構築する事よりも、ただただシンプルに、美容師のプロ意識を高め続けること。

そう自分は信じています。

 

そして経営者は・・・

結果で全てが決まってしまうこの厳しい競争社会においても、最初に抱いた思いを大切に、常に時代の変化を感じながらもその旗を振り続け、大切な事が伝わるまで努力と工夫を繰り返し、利己的な判断に左右されず、大きな志のもとに夢を伝え続けること・・・

やはりこれからもそんな自分たちであり続けたいと思っています。

 

 

最後は皆さんにというより、自分自身とGARDENのスタッフへ一番伝えたかったこと・・・

僕自身の人生も、GARDENを取り巻く様々な物語も、これからも続いていきます。

このブログを通じて、自分は沢山の事を勉強でき、また沢山の方に叱咤激励を頂き、時には不快な思いもさせたかもしれませんが、敢えてそんな毒を含んだ表現も、自分という人間全てをさらけ出すつもりで、全て思いのままに書き綴ってきました。

そのおかげで、今でも何かあると過去の文章を読み返し、自分の想いの再確認を何度もすることも出来ました。

 

今後これからの激動の未来において、このブログで語っていた僕自身、またこのGARDENはどうなっていくか?は楽しみにご覧ください。

そしてお時間が許した時には、過去のブログもご覧になってみて下さい。

僕達は、今後も相変わらずコツコツと、そして厳しく楽しく、今や家族のようにしか思えなくなった大切なスタッフ達と、自分達にしかできないブランドを創り続けて行きます。

何しろ人生は一回こっきり!

「未来は自分の力で創造するもの」だと思ってますので(笑)。