ｖｏｌ　８６４　３，１１

あの日から一年が経過しました。

 

 

僕はあの日都内のホテルで講演を終え、お店に一度戻ってから渋谷に用を足しに移動していた時で、日差しがとても暖かかったのをよく覚えています。

それからの十日間はまさに夢の中に居たようで、身の回りから灯りが消え、連日テレビが同じ報道の繰り返しをしていたあの日々は、今は遠い過去のように思えてしまいます。

 

 

あれから自分は何をしてきたか？と言えば殆ど何もしてなく、ただただ自分の身の回りの事で精一杯で、周囲の人達が様々な形で現地の方々を支援するのを横目で見ていただけのような気がします・・・

正直自分にこの一年そんな余裕などなく、逆にあの震災を機に会社を経営するという厳しさを痛感させられ、いかに自分が過去の成功体験に依存してたかが明らかとなり、今もその在り方を根本から変えるべく奮闘しているのが正直なところです。

 

 

僕はお店においても社会においても、自分の役割りという自分にしか出来ない事、つまり使命みたいな事をよく考えます。

そしてそれを考える時には必ず、その使命を与えてくれてる周囲の人達、それはスタッフでもあり、関係者の方でもあり、当然お客様でもあり、自分を産んでくれた親でもあるわけで、そこで初めて自分が存在している価値みたいな事に気付き、またそれを授けてくれてる方たちにも本気で感謝出来るのだと思っています。（ちょっと大袈裟化もしれませんが・・・）

 

 

この数日間また地震が続き、「首都圏直下型」なんていう、マスコミが騒ぎ立てるような事も、もしかしたら現実に起こるのかもしれないし、そんな事を想像すれば、前に進むことを躊躇してしまいそうになるのも事実ですが、それでもあの震災を経験して、人は本当に強く、結局どんな事が起ころうが、「スタッフさえついてきてくれれば何とかなる」と、楽天的にさえ考えるようになりました。

 

結局人が支配するこの社会は、その「繋がり」・・・

それが周囲の小さなコミニティーであれ、お店であれ、社会であれ、その中で関係性を構築するには、やっぱり相手を理解することからはじめるべきで、相手の立場になり相手を思う事でビジネスも成り立ち、そこではじめて「自分にしか出来ない事」を見出し、その授かった使命に全身全霊を注ぐ事。（なんかどんどん大袈裟になってしまうけど・・・）（笑）

 

 

今年は特に寒い日が続き、例年より梅の開花も遅れていますが、去年と同じようにまた桜の咲く時期がやってきます。

自分にとってどんなに大きな大事件が起ころうとも、時間は流れ、何もなかったように四季は繰り返されていきます。

 

「自分と未来は変えられる・・・」

去年言い続けてきたこの言葉を自分自身で噛みしめ、粛々とそのビジョンに向かって前進することが、何よりも自分がやるべき事かと今でも信じています。

 

 

もうすぐまた春が来ます。