vol 873 一年生へ

今一年生20人全員がharajyukuで働いていて、午前中の研修を終えて帰ってくるとお店が一気に若返る(笑)。

 

 

こんな20人の新人全員が一緒に働いてる環境なんてまずはなくて、いい意味でも競争し合い共有しあって欲しいと思ってる。

そんな中、少しずつシャンプーチェック合格者が出はじめたんだけど、早く受かりたいと思うのは当然だし、後ろの方になるにつれ危機感とプレッシャーを感じるのも当然だよね。

 

 

フロアに出ても、積極的に接客のできる女子と、イマイチ硬さが抜けず、何をしていいか分からない男子に分かれ、そういう人は意外と裏での掃除や片付けが多くなったりして、それらがなんとなく派閥に分かれて行く(笑)。

一年目とかは特に、そんな些細な差が大きな差に感じ、他店の同期と休日に会っては、「うちはこうだ・・・」「今自分はこうだ・・・」という比較をし合い、一喜一憂したりする。

 

 

ニ十数年前まさに自分もそうだったし(笑)、毎年そういう事が繰り返されていくものなんだけど、美容師としてのレースはスタートしているのも事実で、チェックに合格するという競争も大切だけど、本当の目的を見失わないように先輩が指導してあげなきゃいけないんだよね。

 

 

チェックに合格したら次は何か?といったら、20人の中で一番最初にシャンプー指名を頂く事で、それももしビリになっちゃったとしても、最終的に20人の中で一番沢山のシャンプー指名をもらえばいいって事。

 

 

自分もこの時代シャンプー合格も一番最後だったけど、常にそんな気持ちでやっていて、だからスタイリストにデビューした時に「だったら是非カットして!」とご指名頂き、それから二十数年間、その頃のお客様が多数いまだに通って頂いている。

 

 

だからクロスチェンジやターバンチェンジといったどんな些細な仕事でも、「このお客様が将来自分のお客様になる!」という想いがあれば、全てが違ってくるはず。

 

 

そういう「仕事に対する意識」のハードルを形成するのがこの一度しかない大切な一年目で、そこのハードルが低い人は、将来何をやっても中途半端な美容師にしかならないんだよね。

みんな「いい美容師になりたい」と思っていて、最初はそんな気持ちも持ってるんだけど、それを忘れたり継続出来なくなっていく・・・

 

 

それはどれだけ「鉄が熱いうちに意識の習慣化をしてしまうか?」でもあって、寝る時間も少なく休みも殆どレッスンしてる事も、習慣化してしまえば「歯を磨く」事と一緒で、もちろん最初っから自分一人の力ではなかなかそうはならないけど、周りが当たり前にやってればなんとなくそうなる、それが環境ってやつ。

 

 

先輩の中にも色んな人達がいるけど、そんな事を習慣化出来てる人達が上に行くもので、結局どんだけ才能があろうがなかろうが、残ってる先輩たちはそういう事から逃げなかった人達で、辛い事や不条理な事も沢山あるかもしれないけど、結局自分で決めた以上、残って成長していくしかないはずなんだよね。

 

 

20人の中には、競争で一番を取りたいという積極的な人もいれば、そういう事にはまだ馴染めない消極的な人もいるんだけど、今はまだ社会人、美容師としてのストレッチをはじめたばかりで、そんな些細な結果だけに追われてネガティブに考える必要はないよ。

これから少しづつ「比較」出来る客観性も身につけなきゃいけないけど、今はその「比較」に振り回されず、もう少し先の本当の目標を確認する事だね(笑)。

 

 

いろんなタイプがいるけど、僕はちゃんと20人一人一人を見てるから、まずは自分の出来る範囲で一生懸命でいなさい。