今更なんだけど、なんで美容師は上手くなろうとするのか?
誰でも最初は床を履くことくらいしか出来なくて、早くお客様のシャンプーとかに入って、自分もお客様を喜ばせたいと思うから一生懸命練習する。ブローもカットもそう・・・
だけどだんだんそれは自分が納得する、自分基準の「上手さ」に変わっていって、一番解りやすいのが、それそれのお店の「試験に受かる」という上手さ。
GARDENでも同様にチェックがあり、それを合格することで給料も決まり、それをクリアー出来なければ様々なプレッシャーもある。でもそれは最低限の技術で、それを合格したからと言っても、それだけでは到底お客様の満足を得ることは出来ない。
例えばこれだけ毎日暑ければ、シャンプーの温度はぬるめがいいだろうとか、冷たいおしぼりがあったら嬉しいだろうなぁとか。
そういう事は普通に生活している、ましてサービスを営む人間であれば想像出来る事は自分の中では当たり前なんだけど、そんなことすら言われないと出来ない人が多い。
それは美容の技術というものが感覚を麻痺させていってるからで、自分が大変な思いをして得た技術だからこそ、そこに依存しすぎていて、本来その技術が何のためにあるかがズレてしまう。
そもそも僕達は、お客様が綺麗になったり、カッコよくなれたりに喜んで頂く事で価値があって・・・そう喜んで頂くということね。
その為には美容師として高い技術を身につけなきゃいけなくて・・・なぜならそれだけいいデザインや、やりやすさがお客様にとって喜ばれる事だからね。
だからお客様に喜んで頂く為にサロンは存在し、美容師という職業が存在し、僕たちが練習するのはそのためで、当然サロンワークは僕らの練習の場ではない。
売れてる技術者たちが「自分のお客様だから」的な発想をし過ぎることも、アシスタントが自分が担当じゃないから知らないふりをすることも、自分の技術を高めることを優先して、お客様にとっての良い環境作りを怠ることも、それはサロンという場で営業時間中であればなおさら、ただ「仕事をしていない」という事・・・
そう、僕ら美容師は技術を磨く事と、仕事をしているという事を混同しやすく、全てはお客様の為にあるという事がちゃんと理解できていない。
僕らの仕事は特に、「どれだけ多くの人に喜んで頂くか?」で全てが決まり、本当のプロフェッショナルは、そこが解ってるからこそ結果に結びつき、そこで初めていろんなものが自分に還ってきて、結果的には自分の為でもあることになる。
誰でも経験したことがある、初めてシャンプーでお客様に喜んで頂いて「次回もあなたにやってもらえる!」って言われた時の嬉しさ、それが全てだと思うんだど・・・
依然、智堂がウチに来る前に、西海さんに「GARDENのカラーをなんとかして欲しい」と相談したことがあって、あれだけ海外で色んな経験を積んできて、既に日本を代表するカラーリストに上りつめてた人が、その時に、「自分がやってきたカラーは自己満足だったような気がする・・・」「きれいなカラーを追求してきたけど、それはお客様の為ではなかったような気がする・・・」「これからはお客様の為のカラーを追求していきたい・・・」そう言ってたよ。
それ聞いて鳥肌が立って、「この人スゲーな、本物だな・・・」って本気で思った。
だれの為に技術を磨くのか・・・?
GARDENのスタッフはもう一度よく考えるように。