横浜アリーナで行われた「DUNKS」を見学に行って来た。
ここ数年森内さんが審査員として参加させて頂いて、「一度見た方がいい!!」と言われ続け(笑)、今回横浜アリーナにお邪魔しました。
「ギネス公認」のコンテストイベントらしく、1000人?くらいの参加者が一斉にカットしてデザインを作るんだけど、何しろ凄い数で見てるだけで壮観で、スタートの数十分しか見れなかったけど、各メーカー、ディーラーさんも沢山いらっしゃってて凄いイベントでした。
で、あれだけの事をやっている裏側とか、色んな事を感じながらもあえて思ったんだけど。(これは絶対批判とかじゃなく自分が今危機感を持って感じてる事なんだけどね)。
確かに美容師さんが技術を磨くときに、その専門性を深めて行くことはとても重要で、美容師に限らずどんな世界の研究開発だって、全てが結果や利益に繋がるものだけじゃなくてもいいと思うんだけど。
あれだけのイベントが実施されて、それを目指して沢山の美容師さんが頑張るのは素晴らしい事なんだけど、それが直接目的に繋がってるのかな?って。
例えば「料理の鉄人」のリバイバルみたいなのも今はやってて、そのプロセスをも視聴者にエンターテイメントにさせる演出があって、結果的は「鉄人」?とかになれば、社会的にも経済的にも「結果」が出る。
折角あんな凄いイベントをやってるんだから、何かそれがそういう判りやすい「結果」と繋がって行かないものなのかなぁって。(かなり生意気でスミマセン・・・)
目的や趣旨が違うのかもしれないし、そんなに簡単にメディアや広告屋さん達を動かせないのも解ってるし、そういう意味では実際今時枝さんが中心になってやってる「ゴットハンド」とかもあるんだけど、なんとか業界が一体になって、そういう方向に変わって行けないものなのかなぁってね。
最近読んだ本で(最近また結構本読んでます)(笑)、一番影響受けたのがコレで、5,6冊買って幹部に配ってるくらいなんだけど。(ここから長いので、難しい人はパスして下さい)(笑)
簡単に内容を説明すると、本物の「失敗の本質」って本があって、これは日本が第二次世界大戦までの戦争の中で、なぜ敗れてどこに問題があったか?を検証し、それを現代の日本の企業や、日本特有の思想になぞらえていくんだけど、それを更に判り易く、今の日本の企業のどこがダメで、イノベーションとは何か?について書いてある。
よく「時代の変化」みたいに聞くけど、世の中の情勢や構造は常に変化していて、その時代に合うように、少しずつ「変化」を繰り返して行くものなんだけど、それだけでは追いつけないくらいの「変化」がすでに起っていて、この美容業界も確実にそこに来てると思っている。
昔美容師ブームみたいな事があったけど、自分が考えるにあれ以前は「経営者主体」の時代で、確かに有名な美容師さんもいたけど、「見て覚えろ」的な徒弟社会の構が色濃く、悪い言い方をすれば、経営者の都合のいいようにスタッフを育て扱ってた時代でもあったと思う。(あくまでも、あくまでも個人の主観ですよ・・・)
それが、女性誌がヘアスタイルを多く取り上げることで、一般女性のヘアへの関心や興味が一層高まり、カラーのレベルアップでよりそれぞれの「個性」にあった多様なデザインも生まれ、「より綺麗になりたい」という意識の高い女性達が、美容師に技術力やデザイン力を求め、当時それが一極集中していた表参道、原宿界隈のサロンがブレイクし、それを更にマスコミが取り上げブームとなったのが、ご存じ15年前くらいの美容師ブーム。
ここで現場の美容師が一番のスターで、美容師一人一人が輝く時代というムードが高まり、「経営者主体」のサロン構造が崩れ、レベルの高いスタッフの採用や教育、または新規獲得の手段の変化などで、業界が大きく変わり、この時から「美容師主体」の時代が始まった。
最初は「絶対的な技術の差」という「差別化」がなされていたけど、全国に皆さんが講習に飛び回り、数年でその差もすぐに埋まってしまった事で、お客様への差別化が技術から付加価値へと移行し、「美容師主体」のプロダクトアウト的な時代は終わり、差別化が出来ない中価格破壊が起こり始めたのがまさにこの頃。
そして現在、様々な問題が叫ばれる中、成功しているサロンの共通点と言えば、その軸足が確実に「マーケティング」と「顧客満足」にあって、今は完全に、「お客様主体」の時代に変わったんだけど、そこの重要度は解っているつもりでも、結果的にはまだ「美容師主体」の構造になっている所が多いのが現状。
なぜかと言えば自分も美容師だから痛いほど解るんだけど、技術を習得する過程で、専門性を高めようとするほど、どうしても美容師という殻を身に纏ってしまい、お客様の目線を感じ取りにくくしてしまう。
更には過去の自分の成功例というフィルターでモノを考えてしまいがちで、「マーケット」とか「お客様」を置き去りに、自分のやりたい事を中心において物事を考えてしまう。(自分も当てはまってるな確実に・・・)
だから、そもそもの教育の目的、目標からあり方、今までのオペレーションからシステムまで、全てにおいて「お客様主体」のサロンへの変革が、今求められてるイノベーションで、それをやったところが次の時代をリードするんじゃないかって思ってて、そこに次の時代の答えがあるんじゃないか?ってね。
「変化するものだけが生き残る」
ダーウィンからはじまり、多くの先人や優秀な経営者の方達が口を揃えて言っている事が、まさに今目の前に立ちはだかって、変われた所だけが生き残って行くんだろうね。
時間がなくてもやっぱり本は読むべきだね。