僕の好きな作家で、田坂広志さんという方がいます。
この方の本の内容は、とてもシンプルで解りやすく、また読みやすいので、スタッフにもよく薦めています。
その中でも、これは短い50のメッセージ集みたいなもので、1時間もかからずに読めてしまうので、バックルームにおいて、全員に読んでもらっています。
印象に残ったところに、付箋を貼らせて、みんながどんな話に感動したのかをみてみました。
その中でみんなが一番付箋を貼ってた話が、
『パリで画家が育つ理由』
遠い昔、ある著名な画家に聞いたことがあります。
なぜパリでは、あれほど優れた画家が育つのですか?
この問いを発しながら、私が予想していたのは、次の答えでした。
パリには優れた美術学校がたくさんあるからだよ。
しかし、その画家から返ってきた答えは、私の予想外のものでした。
パリには、『本物の絵』がたくさんあるからだよ。
その画家は、静かにそう答えたのです。
ある『高み』にまで達したものを、毎日のように見る。
そして、知らず知らずに、その『高み』を、自分自身の目標に重ね合わせていく。
その無意識の営みこそが、一流のプロフェッショナルが育つ為の条件なのでしょう。
そのことを考えるとき、一つの問いが、心に浮かびます。
我々は、毎日、『本物の絵』を見てるだろうか?
その問いが、心に浮かぶのです。