先日NYに3店舗を展開するAYAさんとそのご主人と食事をさせて頂いた。
約16、7年前くらいNYを訪れた時、当時はAYAさんもウォーレンの現在のプラザに移転する前の店舗にいて、昼は見学させてもらい、夜も他の日本人美容師さん数人と家で飲みあかしたりした(笑)。
僕にとってそれが初めてのNYで、フェッカイやウォーレンといったサロンは当時から人気があったが、どちらもこじんまりとした普通の美容室という風に感じて、正直いわゆるアップタウンで有名顧客を担当してるから凄い的な事には全く興味がなく、それどころか古臭いとさえ感じていて、「大したことないな・・・」なんてその時は生意気に思っていた(笑)。
ところが次の日、当時飛ぶ鳥を落とす勢いだったバンブルを見た時、約150坪位の当時としては大きなスペースに、カラーリストをはじめとしたチームが分業しながら仕事をしていて、そのスピード感や熱気みたいなものに衝撃を受け、バーニーズに行った時も、バンブルのオリジナルシャンプーが山積みに売られているのを見て、自分にとっては美容室の未来というか、美容室のブランドビジネスという事を初めて感じる事ができた。
それから約10年後にGARDENを創った時は、まさにあの時のバンブルの上を行くイメージもあって、その当時のバンブルで聞いてた売上を抜けば世界一かな?(もちろん単価が全然違うけど)なんて思ったりもして、openした次の年の12月にそれを達成した。
ところが3年前位に再度NYを訪れた時、ウォーレンも現在のプラザに移り、フェッカイも300坪位の規模でトータルビューティーを発信し、売上も3倍くらいの規模になって、当時感じていたメガサロンによるブランディングの、まさに先の先を行っていて、それに対して相変わらず「日本人美容師の有名サロン見学ツアー」で有名サロン巡りを、昔と変わらずやってる自分たちに無性に腹が立ち(笑)、一緒に行った河野や高橋と、数時間セントラルパークで語りあったのを覚えてる。
だからたった2回しか行ったことのないNYなんだけど、自分にとってはその時に感じたことが美容人生に大きく影響をしていて、ACQUAの全盛期を体験させてもらった自分にとっては、その先の一つがNYや世界という事だったんだと思う。
時代と共にその表現方法ややり方は変化しても、その時の気持ちは今も変わりなくて、自分達より凄いと思える人達に対してはそれがどこであれ、誰であれ、今でも悔しいという気持ちでしかない(笑)。
10年前に独立をして、海外で3店舗まで拡げてきたAYAさんとご主人の、自分たちに無い経験や知識と、日本の狭い美容業界の視点ではないグローバルな発想に、インスパイヤーされると共にとても共感できた。
「技術は日本が一番」なんて、いつの時代の事だか自分は解らないけど、まさに昨日上海から帰ってきた高橋君が「2年前に行った時とでは全然レベルが違う」「あのハングリーさでは日本もすぐ抜かれる」と。
日本という狭い器の中だけ見てて、その中でそこそこできてればOKみたいな考えでは、日本の美容業界は世界に置いていかれる、というかもうそうなりつつあると思ってる。
いつまでも私的な感情の食い違いから独立を選択し、もしくはそういう選択をさせてしまい、たいしたマネジメント能力も持たずに、若い美容師たちの希望を薄れさせ、そうやってぽこぽこ安易に美容室が乱立し、本質ではないところの
競争で時間とお金を浪費し・・・
それがいわゆる自由主義なんだろうけど、そうじゃない、もっとカッコ良くて、もっと楽しくて、もっとやりがいがあって、もっと憧れられて、もっと儲かる、それをみんなで目指して行かないと。
だからこそ常に自分は様々な人と会い、話し、常にインスパイヤーされ続けたいと思っている・・・
「悔しい」という思いのまま終わらせたくないからね。