ちょっと前のことですが、『日経MJ』にこんなものが出ていました。
他のサービス業界もいろいろ出てるんだけど、ほとんどは前年度比割れ、そんな中で、美容業界だけはまだ伸びてるみたいに書いてありました。
今確実に地方なんかでは、いわゆる雑誌などで有名なデザイナー系の美容室の勢いは聞かれず、どちらかといえば郊外型の、会社組織をしっかり作っているようなお店が、どんどん拡大していってる。
それはある意味当然のことで、この業界の人材不足などの問題に対して、何年も前からそういったサロンは危機感を持って、学校廻りなどをしたり、先日話した労務問題なども積極的に改善し、そうやってスタッフの辞めない環境作りや企業努力をしてきた。
今になってやっと、この原宿界隈でもその影響が出始め、今までのように、「競争に勝ち残れないならいつでも辞めればいいし、その代わりはいくらでもいるよ!」的な発想を当たり前だと思っていた、価値観そのものを揺るがしている。
今30代の管理職クラスの人たちが悩んでるのは、まさにそんな価値観だけではこれからは将来が見えない現実にさらされてるからだろう。
先日D-サロンという、以前も紹介した低価格サロンで成功されてる山本さんと話した時に、青山界隈から、あまり売上の伸びない20代後半の技術者が、以前の給料では食べていけず、そんなお店にどんどん移ってきてるという。
それだけではなく、お客様の売上もここ一年で3倍になってると言う。
原宿界隈でごっそり技術者が辞めてるなんて話は、具体的な名前は出さないけどよく聞く・・・
そう・・・今まで「俺は俺のやり方」みたいな胡坐をかいてたところから順に、それが現実に起こってきてる。
でもそれは当然な事だと思う。
そこでどれだけリーダーたちが意識改革をして行けるか?これが今起こってる『津波』、でも本当の大きな『津波』はこれからやってくる。
ユニクロ、H&Mといった低価格路線も、イメージを変化させたり・・・
今の料金を払って、わざわざ行く価値があるのかどうか?
来年以降、お客さまたちがちゃんとした価値観を持って美容室を選ぶようになる。
そうなった時には、今までのこの業界のスタンダードはすべて崩壊するだろうし、20万軒もある美容室も、かなりの淘汰をされていくだろう。
こんな話をしちゃうと、これからの先行きが真っ暗みたいに聞こえるかもしれないけど、これだけ時代が変化してるんだから、いい加減我々美容業界も変わっていかなきゃいけないということ。
逆に言えば、そんな時だからこそ「チャンス」でもあるということ。
「消費者が低価格を求めるから」「マーケティングが・・・」もちろんそんな事は、経営者として当然考えとかなきゃいけないんだろうけど。
それよりもまずは、「何」を「誰」に「どう?」思ってもらいたいかという主体性。
「俺の店だからおれの言うことがすべて」でも、労務をちゃんとしてるから「雇ってあげてる」でもなくて、同じ目線で、それを一緒になって「創り上げてく」ということ。
それを具体的に経営計画に落とし込んで、わかりやすいかたちでスタッフに感じてもらうこと。
そしてそんな目に見えない空気や思いやりが、お客様に伝わっていくこと。
まずはそんな基盤を作っていくことからはじめるべきなんだろう。
大きな『津波』はもうすぐそこに来ているんだから・・・(またちょっと難しかったかな?)