ジョンマスターオーガニックという商品があります。
今、ヘアの世界にもオーガニックが一つのキーワードになっていて、ロクシタンなんかも以前から注目されてきましたが、このジョンマスターはそれを上回る勢いで、感度の高いセレクトショップを中心に話題になってる商品です。
業界でも以前からアヴェダをはじめ、最近は様々なメーカーがこのジャンルに進出しようとしてるみたいですね。
ジョンマスターのやり方は完全な差別化戦略で、花王、資生堂、P&G、リーバみたいな業界のなかで、どこに自社の優位性があるか?をきちんと戦略に置いた商品です。
そこで例えばジョンマスターが日本で美容室を作ったらどうだろう?と考えてみるわけです。(業界ではアヴェダがそれっぽい事をやってましたが)
それはジョンマスターのコンセプトが反映された一つの明確な売りと差別化になり、物販と連動した新しいブランドが生まれ、今までの美容業界には無かった新しいビジネスモデルとなる可能性があるわけで。
そうなると、ステージや戦う相手は先ほどのビッグメーカーも含めた広い範囲となり、根本的な戦略も違ってくるけど、そのパイも大きく広がっていくわけです。
現在の美容業界だけで考えたら、単純明快に縮小現象にあって、打てる戦略と言えば、人口の多いこれからの4,50代をターゲットにするとか、雑誌とかテレビに取り上げられて有名店という安心感で集客するとか、1000円カットは真反対のコストシェア戦略で、引きずられて単に安売りをしていたら、いつかはコストの問題でシェアの大きなところに必ず負けます。
そんな限られた手法のなかで、その少ないパイを取り合いして、「どこかが成功すればどこかが潰れるだけ」というのが現状です。
オーガニックのような商品が注目されるのは、外部環境である世の中の価値観が変化してきたということで、環境に対しても食に対しても、そしてヘアに対しても、明らかにその本質が問われているという事です。
いち早くそれを要求された食の世界でいえば、農協という仕組みの中で、競争原理が働かなかった農業の世界で有機野菜だけに特化し、当時、消費者の安全食品志向に目を向けていた外食産業への流通に着目し、すかいらーくとの提携を果たし大成功している、イズミ農園という会社があるそうです。(これなんかも、完全に差別化戦略に成功した例ですよね)
では我々は、これからどんな戦略を用いて、誰とどんな戦い方をしていかなきゃいけないのか?
ユニクロがまたしても過去最高益を達成し、ヨウジヤマモトが民事再生の適用を申請し、明らかに時代が変わってしまった現在、過去の価値観や成功例なんてすべて捨て去って、ゼロから戦略を立て直していくという事。
「楽しくかっこよく美容ができればいいじゃん!」なんていう事は、そういった明確な
戦略の裏付けがなければ、これからは言えなくなっていくんじゃないかな?