vol 455 自分が一番知ってること 

先日一人の新卒生が辞めていきました。

退社するアシスタントの事を書くのは初めてなんですが、彼は以前希望していたお店があり、どうしてももう一度そこに挑戦してみたいとのことでした。

 

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「きちんとするまでは行きません」と、当り前なことかもしれませんが、そのお店にはGARDENを退社するまでは面接に行かないそうです。

でもなぜ今回彼の話を出したかというと、彼に限らずシャンプーが受からない時に、必ず自分はシャンプーの練習台になります。

そこで、ただ練習台になるだけでなく、いろんな話を聞いてコミニケーションをとろうとします。

 

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どんな環境で育ち、どんな想いでGARDENを選び、これからどんな美容師になっていきたいのか?その会話のなかでその人の事を理解しようとします。

ちょっと控え目で、目立つような華やかさはないけれど、皆が嫌がるような地味な仕事を、黙々とこなしていた彼が、「辞める前にもう一度シャンプーさせてください!」ということで、シャンプーをしてもらいました。

 

GARDENに限らず、美容室にはそのお店独自の試験みたいなものがあって、それに合格しないと仕事には入れません。

それはシャンプーも、カラーも、カットも一緒です。

 

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普通は、試験の合格点というのは最低ラインで、そこから経験を重ねることによって、プロとしての技術が磨かれて行くものです。

但し、お恥ずかしい話、シャンプーに関しては、経験していくことによって、「流す」ことを覚えてします。

ある程度できるようになってしまうと、それ以上の探究心を失ってしまいます。

 

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それは「見えない技術」だし、お客様もそんなに評価が解らないし・・・

お客様の目線に立てば、シャンプーはとても大切なことなのに、目に見えやすい「デザイン」とかばかりに、気持ちがいってしまいます。

ですから、試験に受かりたての人の方が、指名が多く、経験を積むにしたがってそれは少なくなります。

 

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ところが、彼のしてくれたシャンプーにはそれが全くなく、たぶん試験を受かってからも、「もっとうまくなりたい!」「もっとお客様に気持ちのいいシャンプーがしたい!」そんな気持ちを持ち続けて、常に探究心を忘れずに、流さずにやってきた、そんな素晴らしいシャンプーでした。

 

思うようにうまくいかない・・・

何かで失敗してしまう・・・

試験になかなか受からない・・・

すぐに目に見える結果に人は左右されやすく、要領のいいウサギタイプの人たちに比べて、すぐに結果に表れないカメタイプの人たちは、その差に苦しみます。

 

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だけど最後は、ゆっくりでも、ひたむきに積み重ねていった人。

どれだけ自分に厳しく、どれだけ自分を甘やかしたかなんてことは、誰よりも自分が一番解っていることです。

結局、自分に厳しくやり続けた分しか、人の器は大きくなりません。

 

これから彼が希望のお店に入社できて、活躍できるかどうかはわかりません。

ただ、間違いなくGARDENにいた間は、誠実で素晴らしいシャンプーをしていたという事には自信を持ってもらいたい。

 

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GARDENにとって大切なことはそんなことで、「GARDENにいるから」とか、「辞めたから」とか、そんなんじゃなくて、結局自分自身が一番わかってるその部分。

厳しく、ストイックにやり続けた人だけが勝つし、そんなカッコイイ人たちの集団でありたい!

そんな目で自分は、全スタッフを見ています。