ユナイテッドアローズ副社長の岩城さんと食事をさせて頂いた。
1990年代半ば、約23年前に当時破竹の勢いだったビームスから、社長でかの有名な重松氏と独立をし、17年前に上場を果たしてからは 17年間の増収を継続し、今季は売上高1000億に上方修正する勢いらしい。
当時マスコミに鮮烈に取り上げられる重松氏や、原宿に本店がオープンした時も、すぐ近くで自分は美容師をやっていて、上場する前の出店戦略やブランド戦力をなんとなく見てきた。
クロムハーツをブレイクさせ、グリーンレーベルというカジュアルラインでの店舗展開を進め、いわゆるセレクトというクリエイティブな商品と、手頃で誰でも欲しがる、ある程度安価なオリジナル商品の「二階建て」という、今でこそどのメーカーも当たり前にやっている展開も、一番に始めたのはアローズだった。
スタートがセレクトのクリエイティブな商品ラインナップが売りだったため、「売れ筋商品を作って金儲けが目的か!」「ユナイテッドアローズはクリエイティブな商品を海外から持ってくるブランドじゃないのか?」
社内から批判的な声が多く上がりながらも、利益のコアとなる商品をベースに置く事へ躊躇なく転換し、「常に欲しい商品が当たり前にある」とういう、仕入れや流通という地味な作業に沢山の力を注ぎ続け、もちろんブランドの顔となるクリエイティブなセレクトにも力を入れて、そのバランスをとって来たという。
スタート時には六畳くらいの部屋にスタッフが数人で、誰かが大声で話せばそれが「理念」でもあり、飲みに行って話せばそれが「ブランドアイデンティティー」の共有でもあった時代から、拡大していく規模に合わせて、莫大なコストと時間をかけ、現在の『束矢理念』を創りあげ、それのもとに社員を束ねていくとうい大きな企業の転換も、当たり前のごとく進めて来たという。
岩城さんの話を沢山聞かせて頂いて、印象的だったのが、「二人でスタートした時から、上場と売上高1000億が目標でしたから」オーナー会社の限界を感じ、あれだけ勢いのあった会社のポジションを捨ててでも、「みんなで大きなものを得る会社を創りたかった」と。
そうなんだよね・・・
既に入口と出口が決まってる・・・
「何の目的の為に、具体的にどこまでを目指すのか?」というね・・・
決定的に違うのはそこで、どんな「理念」を掲げて何をゴールとするのか?殆どの会社やお店にはそれがない・・・
だから問題にぶつかった時にそれを越えられない。
逆にビジョンが明確であれば、そのプロセスで起こる問題や課題も、当たり前のように越えて行ける。
やっぱり規模の大きさの裏側には、それだけ乗り越えるべき課題は沢山あって、大した結果も出してないのに、こだわりとプライドだけで、「クリエイターでござい!」なんて言ってても、大人からは笑われるだけだよね。
「二階建て」のブランド戦略は、アパレルだけではなく、まさにこの美容業界にも必要な事で、今はどこにもないけど、まさに自分がこれからやろうとしている事でもあるんだけどね。
久々に芝の「豆腐屋うかい」に行ったけど、やっぱり肉中心の森内氏にはモノ足りなそうだったね(笑)。