あるマーケッターの方のブログからの引用です。
【半径1メートルしか見えていない従業員Bさんの話】
ラーメン屋のカウンター席が3席空いていて、待っているお客様が2組だった場合、
右寄りの席で座らせるか?左寄りの席で座らせるか?
答えは「空いている席の両サイドのお客様のどんぶりの状態による」です。
もし右サイドのお客様が食べ終わる直前ならば、左寄りの席にすれば、もともと空いている
1席と合わせて2席分が空くので、次に来る2人組を座らせることが出来る。
先日近所のラーメン店に寄った際、このことを解って動いている優秀な店員Aさんに会いました。
カウンターは当初1席だけが空いている状態で、その隣にカップルが座っていました。
やがてこのカップルが食べ終わり3席が空いた瞬間、半径1メートルしか見えていない店員Bさんは、もとのカップルがいた席に、そのまま自分と妻を座らせようとしました。
そこに優秀なAさんが割って入り、両サイドのお客様のどんぶりを見て我々を座らせたのです。
おかげで我々が座った直後に、次のカップルは待たずに座る事が出来ました。
一見小さな事ですが、お店にとっては回転が命ですから、積もり積もれば大きな違いになります。
興味を持って優秀なAさんを眺めていると、Bさんとは決定的に違う点がありました。
それはズバリ「視点の広さ」
Bさんは自分の目の前のお客様しか見てませんが、Aさんは常時フロア全体を見渡していたのです。
やはり優秀な人は視野が広いというお話ですが、この話には続きがあります。
人間はやはり多様なところに価値がある生き物。
でも実際に接客を受けて気持ち良かったのは、実は視野の広いAさんではなく、目の前1メートルに全力でぶつかるBさんでした。
もし全員がAさんだったら、いつも合理化やマネジメントだけを考える、殺伐とした店になるかも知れません。
しかし視野の狭いBさんの接客は、我々に「また来たい」と思わせるホスピタリティにあふれていました。
昔父が言っていました。
すべての人間が頭が良かったら、現場で手足を動かして働く人がいなくなってしまう。人間はそれぞれが違っているからこそ、組織を作ることが出来る。
昔良く聞いた石垣のたとえに似てますね。
やはり大きな石だけでは石垣は築けないのです。
皆さんはどう感じますか?