何回かにわたって1年生と話してるけど、その時に必ず「なんでGARDENを選んだの?」って質問します。
何年か前までは、「有名になりたいから!」「森内さんのような美容師になりたい!」「カッコいいデザインをつくりたいから!」などなど。
でも今は、「お店の雰囲気が温かそうだったから」「待ってる時に、さりげなくひざかけをかけてくれたところに感動した」「貴重品袋までオリジナルだったところ」
「シャンプーのときのフェースガーゼのかけかた」などなど。
そこにはデザインもスタイリストの名前も全然出てきません・・・
いいか悪いかは別にして、もちろんGARDENを受けようとしている美容学生の見方なのかもしれないけど、「それってお客様も一緒なんじゃない?」って思う。
今スタイリストはみんな、毎週のように休みを使って作品撮りをしている。
モデハンから始まり、モデルのキャスティング、衣装やスタジオの準備、あげくの果てにカメラマンへのギャラは自腹。
それでもその作品を作ることが、美容師としての自分の実力を上げることだし、その作品をビューティーサイトなんかに載せて、新規のお客様に来てほしいと思って頑張ってる。
自分も同じようなことを経験してきて、それをみんなにも望んできた・・・
20年くらい前、自分がこの世界に入った頃、デザインというよりはキレイに切れてるか?が大切な時代で、当時自分もよくシャンプーをさせてもらっていた、25歳くらいの普通のOLさんが、スタイルチェンジをしたいとご来店されました。
担当したスタイリストは、1時間くらい時間をかけて刈り上げの前下がりボブにカットし、仕上がりをみせてその先輩は、「どうだあのグラデーションは!」とカットのキレイさを自慢していました。
でもその普通のOLさんにとって、自分から見て全然似合ってないと思ったし、鏡を見たときのお客様の顔も、笑顔というよりは少し不満げな感じでした。
だから自分はその後、あんまりベーシックばかりを追究せず、「似合ってるか?」とか「かわいいか?」にこだわらせた勉強会にしてきました。
美容師である以上、技術やデザインを追究して、より深掘りしていくことが大切です。
たくさん作品を作ったりしてね!
ただそれも今では、どこのサロンでも同じようにやってるし、本当にそれがお客様の望んでることなのかなぁ?
キレイに切ることばかりを追求しても、お客様の望みはそんなことじゃなかったし、いくら作品撮りをしても、今のお客様は、そんな1年生が感じてるような細やかな気遣いとか、楽しそうにスタッフが働いてる雰囲気とか、いつでも自分を見てくれる安心感とか、そんなことの方が大切なことなんじゃないかなぁ?
「キレイに切る時代」から「似合うデザインの時代」を越えて、今はそんなことは当然できて、それ以上にスタッフが醸し出す雰囲気、細やかな気配りと安心感、それらがお店全体として高いクオリティーにあるかどうか?
そこの見極めやバランスを持っていないと、これからはお客様が認めてくれるようなお店には絶対ならないよね。
言ってる事が矛盾してるかもしれないけど、そこが理解できていかないと、時代の変化についていけなくなる。
グラデーションがきれいに切れてることを自慢してる、作品撮りをやってればとりあえず安心?みたいなことじゃダメなんだよね!
時代を感じて、お客様を感じて、変化、進化していかなきゃ、いつまでたってもかっこいいGARDENは創れないからね!